「偽骸のアルルーナ」レビュー

こんばんは、お久しぶりです。前回の投稿からだいぶ間隔が空いてしまいましたが、今回は「偽骸のアルルーナ」のレビューをお届けします。
では、続きにて。

【製品名】 偽骸のアルルーナ
【メーカー】 でぼの巣製作所(http://debonosu.jp/)
【対応OS】Windows Vista/7/8 (管理人のWindows 8.1 Enterprise with Update, x64でも動作)
【ディスクレス起動の可否】可能
【修正パッチ】Ver.1.01bまでリリース済
【シナリオ】
公式サイト(http://debonosu.jp/debonosu/game/alruna/concept.html)参照。

※以下本文中登場する人物名等は全て敬称を省略します。
※思いっきりネタバレを含みますのでご承知下さい。

【シナリオ】
シナリオの基本構造は

(1) 町で訓練生として親交を深める
(2) 最終試験中に町をグウラが襲い壊滅する(ここまで共通)
(3) 命からがら聖都へ避難し、敵討ちに燃える
(4) その最中にグウラをめぐる不審な点に気づき始める
(5) そしてグウラという課題の解決法として人間を越える=グウラと融合するetcという狂気に飲まれる人物が現れる
(6) それを克服する

という流れになっています(大体どのルートもこの流れ)
推奨攻略順については迷いがありますが、ステラ・ルーナ→クレア→ミシェル→ティリアかなと思っています。

以下個別にルートを見ていきます。
<共通ルート>
最終試験までが共通ルートで、ここで1回(ステラ・ルーナ)もしくは2回(それ以外)仲間に会うと各ルートに流れる仕様になっています(1回も会わない場合はバッドエンドへ流れる。バッドエンドもCG・シーンがあるため、全て回収するなら一回も会わない必要がある)。共通ルートの途中までティリアは出てきません。そしてサブキャラの大半はここまでしか出てこない仕様になってます。何とも勿体ないというか、贅沢というか。確かに共通ルートでプレイ時間の半分ぐらいにはなるのですが…。
共通ルートでもピンクラピス・カーマインラピスの夢によるHシーンがありますね。夢なので性格が色々違ってます。個人的にはティリアとミシェルのシーンが良かったです。
フロルのHシーンもありますが、片方は夢オチです(がっくり)。「妄想してる場合じゃ無いな」って主人公が言うので「妄想だったのかよ!!」と総ツッコミするはずです。

<クレアルート>
私が最初にたどり着いたのがこのルートです。本章冒頭に示した基本構造でいう所の「狂気に飲まれる」のはカニスに当たります。
このルートのカニスによれば町の壊滅も予定調和ということになりますが、1周目ですからカニスから熊の手を両親に祝い物として取ってきて欲しいというミッションも当然クリアしています。そうすると、もうすぐ死ぬ蓋然性が高い両親に贈り物をするというのは何とも酷薄にも思えてきます。

カニスは世界の真実に近づこうとする研究者などを抹殺する「仕事」を請け負っていたわけですが、これをクレアとウィルが形式上承継し、クレアとウィルが研究者などを匿って真実にアクセスしようとする…というところで終わっているので、消化不良の感がありますね。1周目ないし2周目にプレイしておきたいのはこの結末もさることながら、ラスボス戦が比較的容易であることもその要因であります。

<ステラ・ルーナルート>
私の場合では2周目にクリア。この辺から道を覚えていますしレベルもかなり上がっているのでスピードが上がってきます。OPではにっこり笑っているのに全体を通じてあんまり笑ってくれないステラ、OPでは静かに目を伏せるのに割と明るめの色づけがされたキャラクターであるルーナの対照が不思議な感じではありますが。
このルートで「狂気に飲まれる」のはステラ・ルーナの昔のチームで狂戦士とされたブリジットという人物(顔グラフィックはありませんが、恐らく設定資料集に出てきた人だと思料される)。ルーナもその気があると言えばそうかもしれません。このルートも「俺たちの戦いはこれからだぜ!」的な結末ですし、ラスボス戦も比較的容易かなと思っています。

<ミシェルルート>
OPやティリアが途中から出てきた事実を踏まえて、ティリアがキーだろうなぁと思っていたんですが、ミシェルだけ明らかに難易度が違いますし、ウィルがどうして無属性なのか、フロルがウィルを「パパ」と呼ぶのか、殆どの謎が分かります。ラスボス戦も2回用意されていますし、異様です。
このルートで「狂気に飲まれる」のはフロルで、後述しますがこのシーンでの一色ヒカルの演技が凄まじいの一言に尽きます。このルートではミシェルもウィルもフロルにより「創り出された」存在であるとされ、フロルによりウィル向けに調整されたラピスによるウィルの暴走をミシェルの愛情で溶かしていくという感じで終わります。
このルートのフロルは嫉妬に狂気が入り交じってとんでもない様相を呈しています。ヤバいとしか言葉が無いです…。

なお、このルートを3周目にやる場合、最低でもLv.95、回復役はティリアの他にもう一人全体回復(ヘヴィヒールオール)が使えるようにしておきたいですね。お勧めはルーナにこれを修得させておくことですね。

<ティリアルート>
最後にやりました。Lv.99だったからというのもありますが明らかに短い印象を受けます。世界樹の巫女・ラウリエはこのルートにしか出てきませんが、彼女が「狂気に飲まれる」人に該当します(少し他のルートと毛色は違いますが)。このルートではこのゲームが何故「偽骸のアルルーナ」だったのか、明確に答えは示さないものの察せられるようになっています(アルルーナは古高ドイツ語でマンドレイクを意味しますし、ロゴデザインにも世界樹が添えられていますからもっと早く気づくべきだったのかもしれませが)。
ラウリエがちょっと唐突に主人公達に冷たくなるので戸惑いましたね。考えれば分からなくは無いのですが、唐突の感はぬぐえないかなと言うのが私の印象です。
このルートではウィルの生きている世界が「実験場」であるというメタ的な世界観が提示されますが(これが「偽りの世界」)、最終的にはラウリエを倒したティリアが世界樹を書き換え、グウラが新たに出現しなくなる世界になり、ティリアは世界樹の巫女となりながらもウィル達と残ったグウラの討伐(「冒険」)へと出かけていくところで終わっています。詰まるところ、偽骸のアルルーナは究極的にはラウリエに体現されるのでは無いかと考えていますが、さて。

<全体を見渡して>
このゲームはやって良かったなぁと思いました。私は大好きなゲームです。テキストも読みやすいですし。
なお、OPにはシナリオライターが一人しかクレジットされていないのですが、他にも複数人居ます(エンディングで確認できる)。どこまでそれが影響したかは分かりませんが、このシナリオの全体的な謎の解決についてはティリア・ミシェルにほぼ完全に分有されており、ラウリエに至ってはティリアのルートにしか出てこないのは至極残念に思います。可能ならばラウリエをもっと絡ませてきた方が良かったかなぁと思いますね。カニスもクレアのルート以外では生死不明ですし、全体的にサブキャラを「使い切れなかった」感じがします。
「抗え運命に― 切り拓け未来を― <アイ>を受け止めるRPG」というのが偽骸のアルルーナですが、<アイ>とわざわざカタカナなのは複数の意義を持たせているということが各ルートからもよく分かります。

ところで、登場人物の名前ですが、ウィルはwill(意志)なんだろうと思います。「抗え運命に― 切り拓け未来を―」というメッセージからすれば彼が未来を切り拓く意志なのだろうなぁ、と。

シナリオ:16/20(もう少しラウリエなどを活用しても良かったはず)

【システム】
RPGパートとADVパートがありますのでそれぞれ別々に。

ADVパートについては文句の付けようのない安定したいつもの「でぼの巣製作所」の品質だと考えています。キーボードでの操作性も充分考慮されており、クイックセーブ、クイックロード等の必要充分なシステムは備わっているでしょう。F1キーのメモ帳擬装機能、オンラインアップデート等も安定しています(公式サイトでもアップデータは配信しています)。
ただし、Ver.1.01bでも仲間に会いに行く場面での誤字脱字が直っていません。「クレアに会いに行く」「ミシェル会いに行く」「ステラ・ルーナ会いに行く」「ティリア会いに行く」と助詞「に」が抜けています。

RPGパートは探索→グウラと接触・戦闘→探索→アイテム回収/ボス戦という流れになっています。ミッションは受ける際に推奨レベルが記載してありますので、最低でも推奨+10もあれば困らないでしょうし、ダンジョン自体が結構広いので探索している間に推奨レベルを上回るぐらいレベルが上がる事も多いと思います。武器はグウラが落とす素材を回収して鍛冶屋で合成を繰り返すことになりますが、1周目は兎も角、2周目以降は「まほう」コマンドの火力の高さからあんまり武器を使わなくなる気もします…。1周目のクリアだけなら一番高い武器まで回収しなくても何とかなります。「結晶爪」という素材が探しにくいと思いますが、インピ・グウラが出てくる箇所を集中的にやるか、何周かしているウチに勝手に集まるのを待っても大丈夫です。
称号システムがありますが、揃えたからといって特典は無いです。が、達成感はありますねぇ。最終的に56個集めました。

戦闘は攻撃の仕方がやや独特で、座標を指定して攻撃する形になりますので、多少慣れが必要でしょうかねぇ。最初は横一列に並べて戦闘するか、中盤以降なら3×3のますの中に詰め込んで「まほう」を乱打するのが手っ取り早いと思います。攻撃時にどれぐらいのダメージが与えられるかというのがオレンジ色のバーで表現されていますが、実際には僅かに残ったりしてやりにくい場合もありますね…。また、攻撃範囲も直線では無く斜めが多く、位置を変更するものも多いため扱いに難儀します(特にクレア)。

戦闘で大ダメージが期待されるシン×アイゲージについては連係攻撃や回復等で上昇するのですが、ボス戦では続けて同じ敵を攻撃しても上がらずじり貧になることも。シン×アイゲージの最大値は200%だと思いますが、これ以上上がるかどうかは未検証です。

システム面は概ね快適で、流石にちょっと世代が古い富士通FMV Lifebook S8390ではカクカクするところもありますが今時のマシンなら大丈夫でしょう。ただかなり広いマップなのに神楽シリーズにあったようなオートマッピングがないのはちょっと参りましたね。勿論神楽シリーズと違ってローグライクではないので、一度道を覚えてしまえば何の問題も無いのですが、覚えるまでが大変なのと、案外グウラの出現率が高いためにやってる僕が疲弊する場面がちらほら。あとは、一部斜め上に動く動作が必要なため、それについてキーボードでは操作が難しいというのが難点でしょうか(ただし一回だけなので…)

全般的にはRPGとしての難しさはそれ程でも無いと思います。レベルの上限値はLv.99ですが、Lv.72でも1周目クリアできていますし、ボス戦は結局武器ではなく「まほう」コマンドの連打に終始しますから…。

システム:19/20

【楽曲】
OPは飛蘭の歌う「悲烈バイオレンス」、EDはQuev*の歌う「始まりと終わりに奏でる夢」ですね(エンディングテーマの方は初めてお見かけする名前です)。両方とも好きですが、特にOP曲はゲームの内容と極めて合致しており、私の大変好きな曲です。
BGMはAngel Noteによるもので、22曲。BGMのなかでは「取り戻すべき平和」(タイトル画面にて流れている曲)が特に好きですね。場面場面に応じた曲が用意されており、問題は無いと考えています。

楽曲:20/20

【グラフィック】
いつもの…というか、安定した上質なグラフィックと思います。さらに今回はほぼ全員が胸囲が大きく、( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!祭ですね(特にミシェル。腕を組んだら乗るってすげぇ)。が…それを活かしたシーンは少ないような気もしますね…。
それだけに少しでも違和感があると目立つのが酷く残念に思われますが…(クレアの料理シーンなど)。

グラフィック:18/20

【声優陣】
出演されているは以下の通り。

ウィル:古川徹人
クレア:星咲イリア
ミシェル:榊原ゆい
ティリア:夏野こおり
ステラ:民安ともえ
ルーナ:民安ともえ

カニス:野☆球
フロル:一色ヒカル
カールム:星一人
イリス:杉原茉莉
レックス:芦久比剥巳
クララ:こたつみやこ
マギー:唯香
ベルナー:咲久間匠
リナ:美咲桃子
ムース:越雪光
シェロ:藍川珪
アルフ:花京院秋法
ラウリエ:野々村紗夜
こすず:榊原ゆい

ヒロイン・サブキャラ共に豪華な顔ぶれでありまして、それだけにシナリオ後半から多くのキャラが離脱したり、ラウリエがティリアルートにしか出てこなかったりというのは惜しむべき要素だと思います。
主人公に声があるのはでぼの巣製作所ではいつものことで、キャラと声が合っていないと言うことが無いのも素敵なことだと思っています。
今作で特筆すべきはフロル。ミシェルのルートの最後の最後で狂気を開陳するシーンではこれまでに無いほどの迫力でプレーヤーである自分に向けられたものでも無いのに慄然とさせられました。

声優陣:25/20(配点を超過していますがこれ位でも足りないほど)

【総評】
98/100
お勧め度:S

シナリオも概ね読みやすく分かりやすいものですし、癖のあるシステムでも無いので、取っつきやすいゲームだと思います。是非プレイしてみて欲しいと思っています。

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